カレンダーを利用するなら
タクシーのワソメータープラスアルファ程度で帰れるところに家があれば……。
歩いて帰れるようなところに家があれば……。
そう、思った経験は誰にも覚えがあるはずだ。
「『職・住・遊』近接。
これが、これからのジュニアファミリー層の住宅需要のキーワードになる」Nの直感はそうささやきかけたのだ。
実際に、夜の街で出会う女性たちに「どんなところに住んでいるの?」と話を向けると、異口同音に住まいに対する悩みを口にする。
「マンションを借りようとすると、2DK以上の広いマンションか、ワンルームマンションのどちらかしかないのよね。
ワンルームマンションでは狭すぎるし、ファミリータイプのマンションでは部屋が余ってしまう。
友だちのところにいっても、たいてい、一部屋はクローゼット代わりになっているわね。
これでは、もったいないじゃない?」だいいも、広い物件は家賃が高い。
もう一部屋少なくてもいいから、ほどほどの広さがあって、適当な家賃のマンションが欲しい。
これが、女性たちの共通した声だった。
こうして、Nは、「職・住・遊」近接を実現する。
従来のファミリータイプのマンションほど広くはない、しかし、ワンルームマンションよりは広い。
都心の便利な立地にあって、おしゃれで住みやすい、ジュニアファミリー向けマンションの需要を、Nは探りあてたのである。
Nの直感が的を射ていたことは、東京都のデータでも証明されている。
東京都住宅局発行の平成15年度『東京都住宅白書』によれば、平成16年1月1日現在における東京都の人口は1207万4598人と過去最高を記録した。
前年に比べて7万8387人、0.65%の増加である。
東京都の人口は昭和612年をピークに減少が続いていたが、平成9年に増加に転じ、その後、増加しつづけている。
しかも、区部別の増加傾向をみると、都心3区の千代田区、中央区、港区の人口は前年に比べ7849人、2.70%も増加している。
東京都全体の増加率から見ても、この3区の増加率の急伸ぶりが目立つ。
日本の政治、経済、文化をリードする中心核(センター・コア・エリア)とされる都心一一区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、渋谷区、豊島区、荒川区)では、前年に比べて2万3328人、11.1%増加している。
一方、周辺12区(品川区、目黒区、大田区、世田谷区、中野区、杉並区、北区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区)では2万4514人、0.41%増にとどまり、このエリアの増加率は、東京都全体の増加率を下回っている。
つまり、人々はより都心へ、超都心へと動いているのである。
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